Film review:Us

 

 
 

ついに、、待望の作品を観てきました。

 

とにかくジョーダン・ピール監督と、監督が選ぶ俳優陣が大好きで、ゲットアウトという作品を観た時のあの感覚がまたこの映画で味わえました。最高。

 

作品のストーリーは説明しませんが、感想を述べていく中でネタバレも含むので、ここから先読みたくない方は読まないでください◯

 
 
 

まず、パニックスリラーを映画館で観たこと自体初めてだったのですが、やはり緊迫感がゲットアウトの作品の何十倍もありました。私的にはホラーではない。後引く怖さというより、身にふりかかるような緊迫感が凄いです。私はパニックスリラーというジャンル設定に大いに納得です。

 

この監督の音楽やカット、メッセージ性がとても好きで、今回の映画にもそれが詰め込まれていました。

またこの監督も黒人で、今回はその黒人の時代背景も上手に映画の中に組み込まれていました。というか今回はそれも強かった。

後から知りましたが、地下の人間たちの喋れないことだったり、手錠であったり、黒人奴隷などの歴史の中で存在した、黒人の生きづらさみたいなものも重ねているようです。

外国の映画では社会問題や歴史的背景や宗教問題など組み込む映画が多くあるのですが、この監督はそれがとても上手。

 

またコメディアンでもある監督なのもあり、

あの緊迫感の中でふっと笑ってしまうシーンもあり、、ゲットアウト※前作 よりコメディアンの監督もあるという要素を感じました。
 

わたしは現実で体感したことないのに、体感する可能性があることだったり、非現実的だけれど、どこか現実的な後からジワジワくる内容の映画や、終わった後に映画のシーンを思い出して考えさせられる映画が好きで、Usはそれそのもの。

 

映画の最初のアメリカでは〜の説明書きのところから

全く似た家族が現れた時に至ったときに、なんとなくぼんやり政府の悪さや極秘政治感..は感じていたのですが、最後の最後まで心奪われ続けます。

 

他のサイトでは、手錠のオチというか理由が鳥肌!みたいなのが多く書いてありましたが、個人的にはそれより、地上と地下の世界を意識させるような、ハサミであったり双子の姉妹であったり、シンメトリーな物をそれとなく利用していることを後から知りジワっときました。(笑)

 

また役柄設定で言えば、

家族だけれど、お父さんだけ人間味あふれる役柄設定にしていて、どこか蚊帳の外感があるのも、意味があったのかな〜と。地下にいた、もともと肉体だけだったお母さんから生まれた子供たちゆえのあの空気感であったのではないかと思いました。弟も最後ウサギ持って帰ってきていたし...潜在的な何かなのかな?と考えたり(笑)これもジワジワきた..

モグラ叩きも地下の人たちを匂わせた表現の一つだったようです。観た後でわかることが多い映画、大好き。

 

最後の、まあ言うならばオチのところでは、

何故地下の人は魂などは何も得ていないはずなのに、

お母さんは幼少期にバレーを踊れてしまっているのだ?と違和感を感じながら観ていて、最後の最後で、そういうことか!!!という謎が解けたというか、紐と紐が繋がった瞬間の満足度がとにかく半端じゃなかった。

大変個人的ですが、コンテンポラリーバレエゆえの女優さんの異質なあの動き、ダンスの目線からでも興奮しました(笑)

 

ゲットアウトもそうなのですが、この監督はスピード感が絶妙で、間の作り方もとても上手。最後の追い上げも満足度に繋がる大きな要因だと思いました。

 

音楽も毎度、うわぁ...と手を叩いてしまう(笑)

何度も音楽で👨🏻と顔見合わせてました(笑)

 

ゲットアウトを見た方はゲットアウトより全然わかりやすい展開やオチになっています。

初めてこの監督を見る方で、もしこの映画が気に入った方は是非ゲットアウトも観てください。そして語り合いましょう。

どんな感想になるのか、Us観た方と是非お話ししたい(笑)

 

最後に、劇中よく出てきた11章11設定ですが、

エレミア書の11章11節だった様で、

 

それゆえ主はこう言われる、「見よ、わたしは災を彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない。」

 

だそうです。遊園地でこの看板を持っていた老人?が最初の犠牲者だったのは観てわかったと思いますが、それもメッセージだったようです..

 
 

とにかく、話せば尽きないのでまとめると、

監督がインタビューで言っていた

優れたスリラーは現実味にあふれている。

この一言がまさにこの映画でした。
 
そして私の好きな映画の非現実的だけど、どこか現実的というものが感じることができるような、スリラー視点だけれど監督もそういうような作品にしたかったのだなあというそこの一致を後から知り、観た後の自分の満足度に納得しました。
 
 
とにかく気になるなら、是非観て欲しい。
 
 
そして観た後にいっぱい考えて二度、楽しんでほしい。そんな映画です。
 
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